医師のモラル?

ども、県連学生担当の窪田です。
すでにご存じかと思いますが
二階産業経済相が舛添厚生労働相との10日の会談にて、
脳出血を起こした妊婦が東京都内の病院で受け入れを断られ、死亡した問題について
こう述べました。

なによりもやっぱり医者のモラルの問題だ。
(医療界に)入った以上は忙しいだの人が足りないだのは言い訳に過ぎない。
しっかりしてもらわないといけない

この妊婦死亡事件で私たち医療従事者が実感したのは、やはり都会であろうとも医師は不足しているということです。
厚労省が主張している医師偏在論はこの事件がきっかけで吹っ飛んでしまいました。
しかし、一般的にはまだまだ「医師のモラル」と片付けてしまう程度だっということがこの二階氏の発言で読み取れます。
これだけ巷で、医療崩壊が叫ばれており、テレビや新聞でも連日報道されているにも関わらず、なぜにこうも医療への認識にズレがあるのでしょうか。
医療崩壊に関してブログを書いている本田宏医師は、「医療費亡国論」に基づいて連綿と続けられてきた医療費抑制政策をひた隠しにしてきた厚労省に問題があるのだと指摘します。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/honda/200811/508536.html
しかし、さらに踏み込めば
医療費抑制政策を実行してきたのは厚労省だが、そうした意志を持ったのはまさにこの国の政府です。
そして、その政府を選んだのは、もしくは黙認したのは私たち自身なのです。
この医療崩壊は医師のモラルではなくて、国民のモラルの問題なのかもしれません。
混迷する国会、金融危機と右往左往する政府をみているとついつい考えてしまう今日この頃です。