なんちゃって2年目研修医の森です。

長野県民医連の研修では、どの科に所属していても必ず1単位は上部内視鏡研修の時間があります。
病院に慣れ始めた1年目7月から、徐々に内視鏡の動かし方を覚えていきます。
2年目のこの時期くらいになれば、内視鏡の動かし方にはほとんど困らず出来るようになり、一人で検査を行うことも出来るようになります。
研修医としては、「一人立ち」できる事があるのはうれしいものです。
外来研修や病棟業務では『赤ん坊状態』で「ばぶー、ばぶー」言っているしかない私でも、内視鏡室に行けば『思春期真っ盛りの高校生』くらいに振舞えるので自然に背筋も伸びるってものです。

内視鏡をやっていると、胃の状態で患者さんの生活などが垣間見えることがあります。
胃壁自体はきれいなのに、真っ赤になってい荒れている中年女性患者さんなどには
「ストレスたまってますね〜」
なんて(思春期特有の知ったかぶり口調で)言ってみたり、
萎縮が目立つ胃を見ては
「あ〜、ピロリ菌がいそうな胃ですね〜」
とか(鼻高々に)言ったりしています。

どうも私は説明べたなのか、結果説明が他の先生より時間が掛かってしまいます。
時には10分ぐらい話している事もあります。
しかし、内視鏡を受ける患者さんは次から次へと来ます。
説明が長引いちゃうと、そこがボトルネックとなっちゃって、患者さんや看護師さんを待たせてしまうことも度々です。
私の心の中では「はわはわはわ〜」っと焦り100%状態になっているのですが、
そこは感情を素直に出せない思春期の私。
表面では冷静に「はい、お待たせしました○○さん、最近お腹の調子はどうですか?」などと言って乗り切っています。
いや。乗り切れてない気がしますが・・・(^_^;)
看護師さんの暖かい目に見守られながらなんとか時間内に終わらせています。


この前の患者さんは、胃カメラを始める前に
「いや〜、私胃カメラ苦手で、いつもうえ〜ってしちゃうんですよ」
と言って、私に先制のジャブをお見舞いしてきました。こちらは内心ドキドキしながら、
「そうですか〜、最近のカメラは細くなっているから大丈夫ですよ」とジャブを返して対決が始まりました。
ばし〜って入れて、
ぐり〜っと通して、
ずんずんと進んで、
ばしばしっと撮って、
くるっと回転させて、
ばばばばっと撮りまくって、
ささっと退散する。 
1ラウンド10分強の戦いの後、
「今回のカメラは今までで一番ラクでした(^▽^)」
と言わせたときの快感は最高のものでした。こういうことは研修医特有の思いですかねぇ。

こうやって一喜一憂しながら、研修医の1日は過ぎているのでした。