いまどきのコマーシャル

松本協立病院には整形外科がないこともあり、膝や関節の痛みで外科外来を受診する方が増えています。
診察時にたびたび聞かれることは、最近よくCMに出てくる「飲むヒアルロン酸」や「グルコサミン」…といったサプリメントが効くかどうかいう質問です。
私は、「本当に効くと思う?」と、逆に質問してみますが、CMの威力はどうも抜群らしく、「痛みがなくなった」とのふれこみに、患者さんはつい手が出てしまうようです。
私もときどき、それらのCMに遭遇しますが、どのCMも「以前は×××だったけれど、今ではご覧のとおり、ホラ○○○ですよ!」、「もう離せません△△△!(と笑顔が続く…)」というような決めゼリフの言葉が流れてきます。
しかし、テレビ画面下に流れるテロップをよくよく見ると、「お客様にお話をお伺いした時の個人情報をもとに掲載しています。商品を飲用したお客様の感想で、商品の効果・効能を表すものではありません」との文字が小さく…。
「この痛みを何とかしたい」という気持ちは痛いほどわかります。でも、昔から「うまい話には裏がある!」というように、しっかり肝に銘じて冷静に判断したいものです。
基本的には「口から食べたものが、その人のからだをつくっている」わけですから…。ヒアルロン酸もグルコサミンも、体内でつくられる物質です。そういえばちょっと前に、○産自動車のCMでもいっていましたよね。「あなたは、あなたが選んだものでできている」。こんな気の利いたセリフ、サプリメントのCMと一緒に放映してくれないかなぁ〜。

松本協立病院 外科 佐野達