1月3日飯田市の健和会病院で毎年恒例の「医系学生交流会」が行われました。
飯田下伊那出身の医系学生が年1回集まって、地元の医療を考えるこの企画は今回で6回目。

この日は全国から医学生6名、看護学生10名、リハビリ学生4名、事務系2名が集まり、当院の医師・看護師・事務職員なども参加して全体で約40名のにぎやかな集まりになりました。
初めに、飯田下伊那地域の医療の現状と当院での取り組みについてのレクチュア。今回は循環器疾患・脳卒中・悪性腫瘍をとりあげ、それぞれ循環器内科牧内雅信医師・脳外科北原正和医師・外科本田晴康医師が、実際の症例も紹介しながら、わかりやすく解説をしてくれました。
続いてALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんについての事例検討。牛山雅夫院長(神経内科)からALSの基礎知識のレクチュア、担当の中曽根美里看護師から患者さんの経過報告の後、グループ討論を行いました。ALSは重篤な筋萎縮・筋力低下をきたす神経変性疾患で、進行が速く半数は5年以内に呼吸筋麻痺で死亡します。意識は清明なままコミュニケーションは困難になったなかで、人工呼吸器をつけるかどうかという選択を迫られます。
意識ははっきりしているのにコミュニケーションが取れなくなってくることの大変さ、難病患者を支える大きな負担が家族にかかってしまう現状、その中で医療者としてできることは何だろう?自分が家族だったらどうだろう? …と様々なことが話し合われました。終了後はキノコ鍋とピザで交流。伝言ゲームも盛り上がりました。
参加者からは「患者の心理的な問題や社会背景、制度の問題などもふくめた症例検討で、学校では経験したことのないものだった」「他の職種の学生と話ができてよかった」といった感想が出されていました。
ついこのあいだ入学したと思っていた彼らがもう学年も進んで、とてもしっかりと発言している姿はとても頼もしいものでした。それから、先日長野県看護大学で小児科の講義をしたのですが、それを聞いた看護学生がいて「とてもわかりやすくて、おもしろかったです」と言ってくれて、その彼女が私の娘と高校の同期だったということもわかって、喜んだりびっくりしたりというおまけもありました。早く彼らと一緒に仕事ができますように。
(健和会病院小児科 和田浩)